心房中隔欠損症
しんぼうちゅうかくけっそんしょう
概要
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「心房中隔欠損症」とは、左心房と右心房の間の壁(中隔)に穴(欠損孔)があいている病気です。左心房から右心房への血液のもれが生じますが、多くの場合には症状はなく、乳幼児健診や学校心臓検診で心臓の雑音や心電図の異常から発見されます。欠損孔を介して左心房から右心房に流れる血液の量(短絡量=心臓への負担)を心エコー検査や心臓カテーテル検査で詳しく調べ、欠損孔の閉鎖が必要かどうか(=治療適応)が決まります。欠損孔の閉鎖が必要な患者様は、成人まで無治療であって不整脈を起こす危険性もあります。最近では、閉鎖栓デバイスを用いたカテーテルによる治療が一般的となってきていますが、人工心肺を用いた外科的閉鎖術も行われています。
日本一優しい治療(低侵襲治療)
私たちは心房中隔欠損(ASD)の患者様に、日本一優しく、かつ確実で安全な治療を提供することを目指しています。小児科、心臓外科、循環器内科のチームでひとりひとりの患者様に適した治療法を選択しています。特にカテーテル治療では、全身麻酔を用いず、局所麻酔下で心腔内エコーという血管内超音波カテーテルを用いた治療を積極的に取り入れていますので、体への負担が少なくて済みます。カテーテル治療、小開胸による外科手術(MICS)、いずれの治療法においても豊富な経験と診療体制により最高の治療を受けていただくことができます。
2.安全第一
カテーテル治療では、欠損孔の位置が中央ではなく心房中隔の端にあると、心房穿孔(心房に傷穴がついてしまうこと)やデバイスの脱落(閉鎖栓が外れてしまうこと)を生じる危険があります。私たちはカテーテル治療とMICSの両方を得意にしていますので、合併症のリスクが高いと判断された方は、無理をせずにMICSでの治療を行っています。心房中隔欠損(ASD)の患者様のうち、カテーテルで治療可能と判断した方は約80%程度です。



